TOEFLとはTest of English as a Foreign Languageの略で、米国Educational Testing Service(ETS)による英語を母国語としない人々のための英語コミュニケーション能力テストです。
日本で受験できるのはTOEFL iBT(Internet-based test)のみになります。テストはリーディング→リスニング→(10分休憩)→スピーキング→ライティングの順に進み、合計3~3.5時間かかります。各セクション30点、合計120点満点に換算され、点数が算出されます。題材は若干文系ものが多い印象です。2019年8月より形式が改訂され、Writingを除く3つのセクションの問題数が減りました。
また、このページは2020年1月時点の情報です。内容は学生の調査・経験に基づいた情報ですので、参考にする際には注意してください。
3~4パッセージを54~72分で解く試験です。1パッセージ(約700単語)につき10題の選択問題(10問目は要約問題で2ポイント)があります。1本あたり15分以内に終わらせるのが理想でしょう。日本の大学受験よりも語彙のレベルが3000程度高い試験だが、精読教育を受けてきた日本人のプライドにかけて高得点を狙おう。
3分程度の会話形式の問題を2~3本、4~5分程度の講義形式の問題を3~4本聞いて問題を解く試験です。合計41~57分。聞くことができるのは1回のみで、問題文を先読み出来ないなど日本の大学受験のリスニングと比べると難しいでしょう。
机に向かわずとも勉強できるということで世界的な平均点は高いが、日本人は最も苦戦するかもしれないセクションです。日常的な問題とアカデミックな問題が計4題出され、一定の準備時間の後、マイクに向かって喋り録音します。
1題目は出された質問に対し15秒で準備、45秒以内に回答。次の2題は短いパッセージを読んでからリスニングを聞き、それらを踏まえて30秒で準備、60秒で回答。最後の1題はリスニングのみを聞き、20秒で準備、60秒で回答。このことから分かるように、リスニング力も重要です。
各回答がばらばらの採点官によって0.5刻みの4ポイント満点で採点され、合計ポイントが30点満点に変換されます。後述するライティングとともに、スピーキングにはリスコアという、採点を再度お願いできるシステムがありますが、利用の是非は慎重に見極めてください。人の手による採点なので点数は上下しやすく、リスコアによるスコア変動も大きいので、自分のベストスコアだったはずが…という結果に陥ることもありえます。海外経験のない人は、まずは3ポイント平均の23点付近を目指してみましょう。
Integrated taskとIndependent taskの2つで構成される。前者はパッセージを読み2分程度のリスニングを聞きそれらを要約する、後者は与えられたトピックにその場で回答するというもので、制限時間はそれぞれ20分、30分です。スコアは1人の審査官と、E-raterというソフトがそれぞれ5ポイント満点で採点し、その平均が30点満点に変換されます(2人の採点の差が1ポイント以上開いた場合は3人目の審査官が採点します)。特にE-raterは、2度使用しているものを除いた単語数が多いほど点数が高い傾向にあるので、それぞれ250~300語、400語程度を目安に書くと良いでしょう。英語エッセイの基本的形式さえ抑えれば、このセクションは比較的容易に高得点が狙えるはずです。
ETSのHP(http://www.ets.org/toefl)で申し込みできます。ウェブサイトの言語選択では日本語も選べますが、後々SATや大学のHPなど英語版しかないページを見ることになるので、今回から英語版で慣れていくと良いでしょう。“MY TOEFL iBT ACCOUNT” を作成した後、ログインしたページより申し込むことができます。試験は年30~40回土日に実施されており、何度でも受験することが可能ですが、連続受験の場合は12日間以上あける必要があります。人気の会場はすぐに満員になってしまい、また地方会場は実施回数が多くないのでできる限り1~2ヶ月前に申し込みましょう。デスクトップorラップトップ、しきりの有無など、会場の雰囲気は様々ですぜひ口コミをチェックし会場を決めてください。試験当日はパスポート、あるいはパスポートに代わる身分証明書の持参が必要になるので、忘れないように準備しましょう(詳しくはETSのサイトを参照してください)。結果は10日程度後にMY TOEFL iBT ACCOUNTからチェックできるようになり、その後自宅へ紙媒体のスコアレポートが郵送されます。
海外大学出願の際、多くの大学では英語力の証明としてTOEFLスコアの提出を求められます。
MY TOEFL iBT ACCOUNTのScore Reportで大学名を検索し、そこからスコアを各大学に送付することができます。必ずこの正式な方法で送りましょう。2019年8月の改訂に伴い始まったシステム、MyBest Scoresを採用している大学もあります。MyBest Scoresとは、受験者の過去2年間の有効な全てのTOEFL iBTテストスコアから各セクションの最も高いスコアを組み合わせたスコアを大学に提出できる制度です。受験する前に各大学のスコアに関するポリシーを確認しておくと良いでしょう。
大学によっては、合計あるいはセクション毎の最低スコア(minimum requirement)や、スコア提出免除の条件を定めている大学もあります。アイビーリーグやそれに順ずる大学では100点以上を求めることが多く、他の大学でも直接四年制の大学に進学する場合、80点は欲しいところです。また、出願の際にスコアが最低スコアに足りない場合は、1月, 2月に再受験してスコアを大学に追加送付できることもあるので、大学のウェブサイトで確認しておきましょう。
TOEFL講座を開催している多くの塾が無料のTOEFL模試、もしくはオンライン模試を開催しています。一度しか受験できないものも多いですが、本番前のいい腕試しになるでしょう。また公式ウェブサイトでは、有料のオンライン模試を受けることができます。ライティングのE-raterによる採点の確認にもなるので、受験してみることをおすすめします。
スピーキングやライティングでは似たような傾向の問題が出題されるので、ある程度の回答の型を作り回答時間や文字数を増やすことが可能です。ただ、テンプレートばかり使っていると点数が下がる可能性もあるので、使いすぎには注意してください。インターネットで検索をするとテンプレートがたくさん出てくるので、自分の好みに合わせて改良して使ってみましょう。
ETSによると、スコア調整のためにリーディングかリスニングのどちらか1つに、採点されないダミー問題と呼ばれるものが、リーディングなら1パッセージ、リスニングなら3本セットが一つ含まれています。毎回同じ問題(ダミー問題)を出し、そこの出来具合を基準として過去の本試験と比較し、スコア調整を行っているようです。もし練習してきた問題と全く同じ問題がでても、焦らないようにしておきましょう。