出願

IELTS

概要

IELTSとはInternational English Language Systemの略で、140カ国10,000以上の機関が認定し世界で年間350万人が受験する、英語の環境で授業についていく力がどの程度あるのかを測るために考案された試験です。

試験はAcademic Module(大学出願用のテスト)とGeneral Training Module(一般生活、仕事、移民用のテスト)の両方の種類がありますが、留学生が受けるのは前者のAcademic Moduleです。IELTSはもともと、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの大学出願のテストとして作られましたが、いまではアメリカでもIELTSによる英語力評価ができるようになってきています。

通常のIELTSの大きな特徴は、ライティング・リーディング・リスニングが紙に直接記入する筆記の試験であること(つまり、スペルミスなども減点対象)と、スピーキングの試験が、試験官と1対1でのインタビュー形式であることです。

2019年3月より、コンピューターでIELTSを受けられる、Computer-delivered IELTSが始まりました。
試験の内容、採点基準、試験時間は、紙と鉛筆で受験するIELTSと全く同じで、Writing, Reading, Listeningの3つのみコンピューターで実施されます(Speakingは対面で行います)。
Computer-delivered IELTSは従来のIELTSに比べて成績証明証の発行が早くなることが利点です。
専用サイトからのお申し込みが必要なのでご注意ください。(詳しくはこちら

以下の情報は(体験談以外)全てIELTS Official Test Centreから引用しています。(引用元リンクはこちら

また、このページは2020年1月時点の情報です。内容は学生の調査・経験に基づいた情報ですので、参考にする際には注意してください。

試験について

▼ Writing

試験時間は60分で、2つのお題から文章を完成させます。Task1では約150語、Task2では約250語を書く必要があり、Task2はTask1よりも配点が高くなっています。
どちらのTaskでもアカデミックな文体で書くことが求められます。意味が広い単語(General Word)は避け、より意味が明確な単語(Specific Word)が推奨されます。

  • Task1では、グラフや表、図形を分析し、自分の言葉で客観的に説明します。また、物事の過程や手順の説明を問われることもあります。
  • Task2では、ある主張や問題についてエッセイを書きます。お題や出題方法は様々で、議論やディスカッション、特定の質問に答えるものなどの種類があります。

▼ Reading

全40問で試験時間は60分。様々なタイプの問題(選択問題、正誤問題、組み合わせ問題、見出し・主題の選択、文章・要約・メモ・表・フローチャート・図表の穴埋め、記述式問題)が出題されます。
文章は書籍、専門誌、雑誌、新聞などからの抜粋で、学術的なトピックに関して一般読者向けに書かれたものです。内容は大学や大学院に進学を予定している受験者もしくは就職を希望している受験者に適したものとなっています。文章は、描写文や事実を述べた文、色々な見解が書かれた文から物事を分析したものなど様々で、図形やグラフ、イラストなどが含まれる場合もあります。専門用語が使用されている場合は、簡単な注釈がつく場合もありますが、ほぼないと考えて良いでしょう。
60分間で合計3つの長文が出題されます。文系と理系分野のバランスが程よく出題され、難易度が徐々に上がります。

  • セクション1の題材は様々で、難易度は低めです。題材は英語圏での日常生活に関連したものが多いようです。
  • セクション2は、仕事に関連した2つの短文(仕事への応募、企業方針、給与や労働条件、職場環境、人材育成と研修など)が出題されます
  • セクション3は、一般的なトピックを扱った比較的長めで複雑な文章が出題されます。

▼ Listening

全40問で、リスニングの時間が30分と回答転記時間が10分です。様々なタイプの問題(選択問題、組み合わせ問題、計画・地図・図表の分類、用紙・ メモ・表・フローチャートの穴埋め、要約・文章完成、記述式問題)が出題されます。
30分間で4つのセクションの問いに回答します(どのセクションも音声は一度しか聞くことができません。 様々なネイティブスピーカーの声やアクセントが使用されます)。
過去問などでは、最初に例題が出題されるものもありますが、最近は例題がなくなったため注意してください。

  • セクション1は、日常生活における2人の人物による会話(宿泊施設の予約など)です。
  • セクション2は、日常生活におけるモノローグ(地域の施設に関する描写、 食事の手配に関する説明など)です。
  • セクション3は、教育の現場における複数(最大4名)の人物間(課題について話し合う大学の指導教官と生徒、研究計画について議論する学生など)の会話です。
  • セクション4は、学術的なテーマに関するモノローグ(大学の講義など)です。

▼ Speaking

筆記試験であるWriting, Reading, Listeningとは別日程で開催されます(同日に開催される場合もあります)。
類似試験であるTOEFLと異なり、IELTSでは試験官と直接会話を交わします(TOEFLはコンピュータに一方的に録音するもの)。
試験時間はおよそ11分〜14分で、3つのパートにわかれています。
開始時にパスポートを提示する必要があります。

  • パート1は、自己紹介と日常生活に関する質問です。(4〜5分)
  • パート2は、スピーチです。試験官からトピックと言及してほしいポイントが書かれたカード(Task card) が渡され、受験者には1分間の準備時間とメモを取るための鉛筆と紙が与えられます。その後、最大2分間のスピーチを行い、スピーチの後には、試験官から同じトピックについて1~2つ質問されます。(スピーチが終わらなくても2分間で打ち切られます)(3〜4分)
  • パート3は、ディスカッションです。試験官からパート2のトピックについて、より掘り下げた質問がされます。受験者はトピックについてより深く自分の考えを述べることができます。(4〜5分)

質問に答えながら、日常の話題や出来事について情報を伝え、意見を述べるコミュニケーション能力、与えられたトピックに関して適切な言葉使いと一貫性を持って、ある程度の長さのスピーチをする能力、説得力のある意見を述べ、物事を分析、議論、推測する力などが問われます。

受験者の受け答えは、アイエルツの試験官によって、4つの評価基準(流暢さと一貫性、語彙力、文法力、発音)に基づいて採点されます。
録音・録画されているため、対面している試験官のみによる採点ではありません。

申込方法・持ち物・大学出願について

▼ 申し込み方法

日程と会場を確認した上で、IELTSの公式サイトから申し込みます。
申込方法は公式サイトに非常に丁寧に記載されているので、参考にしてください。(リンクはこちら
IELTSの申し込み、受験には有効期限内のパスポートが必要で、受験料は1人1回あたり25,380円です。(2020年3月時点の情報)

▼ 受験当日の持ち物

– 受験申込の際に使用したパスポート(原本)
– パスポートのカラーコピー
– 黒鉛筆と消しゴム(シャープペンシル、キャップ、カバー不可)
– 無色透明な容器に入った水
※上記以外は試験会場へ原則持ち込むことはできません。

▼ 大学出願

オンライン上のマイページより申請します。
成績公開後(原則、筆記テスト13日後の13:00)オンラインのマイページ「試験結果閲覧・証明書発行」から申請できるようになります。

試験対策

▼ Reading

Aさん

IETLSの過去問をamazonで購入し、解いていました。

IETLSのリーディングセクションの問題は、実はNew York Timesなど英字新聞の記事を編集し、使っていると聞いたので、高校にある英字新聞を毎日三部読んでいました。わからない単語はその都度メモし、その日のうちに覚えてしまい、次の日に覚えているかどうかのテストを自分でしていました。毎日とにかく読む英文の量にこだわっていました。たくさんの英文に触れる事で、読むスピードをあげようと努力していました。その中でスキミングアンドスキャニングの能力が身に付いたと思います。

Bさん

沢山英語で文章を読むことをしました。僕は語彙力を増やすことに苦労していたので(今でも苦労していますが)、単語帳の日本語と英語の一対一対応の英語の覚え方よりも本を読むことを通して得られる英語を英語の中で覚えるという方法をとりました。こうすれば、わざわざ日本語を思い出せなくてもあの時あの本でこんな風に使ってたなー、みたいに具体的な意味まで分からなくてもIELTSの課題文が読めるぐらいの語彙力は増やすことができました。

▼ Listening

Aさん

リスニングの勉強として、可能な限りずっと英文を聞いていました。

例えば登下校の時、お風呂に入るとき、授業の合間などです。とにかく英語のリズムに耳を慣らそうと思っていました。教材は、IETLSの過去問、TOEFL、センター英語のリスニング教材など様々なレベル、スピードのものを使っていました。それとは別に毎日TEDのスピーチを3つディクテーションしていまいました。全部聞き取れるまでやっていました。これは頭の中の間違っている発音を、正しい発音に矯正するためです。

▼ Speaking

Bさん

スピーキングは学校にいる外国人講師と毎放課後最低一時間は話していました。

また英語の先生と話すときは英語で話す決まりにしていました。ディクテーションで使ったTEDの教材も、一度は必ずスピーチの後にシャドーウィングをしていました。リスニングをしているときも出来る限り声に出してシャドーウィングしていました。とにかくこれも量を重視していました。

▼ Writing

Aさん

ライティングは一番苦労したセクションです。勉強法は大きく分けて3つあります。

1. ライティングのルールを学ぶ

日本の高校ではなかなか教えてくれませんが、英語のエッセイを書くときにはたくさんのルールがあります。例えばイントロダクションの始め方だったり、コンクルージョンでの終わり方だったり。そんなことは全く知らなかったので、まずはそのルールの勉強をしました。イギリスで中学生が使うようなライティングの教科書をamazonで購入してそれを読んでいました。またアメリカ人の外国人講師にエッセイの書き方をみっちり教えてもらいました。

2. 正しい英語をインプットする

僕たちが日常で使っている英語とは違い、エッセイではアカデミック英語が求められます。またイギリス英語で好まれる単語・表現などもあります。それも全く知らなかったので、それも勉強しました。基本的にはセンターレベルの単語帳から初めて、IETLSの過去問を全文丸写しして、その中で「あ、この単語前にも見たな」ってものおそらく好まれている者だろうと思って、使うようにしていました。

3. 幅広い知識を入れる

エッセイの質問は自分の意見を求められるのがほとんどです。例えば「小学生に携帯電話を持たせるべきかどうか」などです。これには携帯電話のメリット・デメリットを書かなければいけません。この他にも体罰の是非なども問われます。アイデアが出てこないとかけない者あるので、毎日新聞を三社分(朝日、日経、中日)を読んでいました。他にも、大学の小論文対策の本なども読みました。

これら3つの勉強方法を踏まえて、あとはエッセイを書いて書いて書きまくりました。毎日150字のエッセイを1つ、250字のエッセイを2つ書いて、英語の先生に毎朝提出しました。そして昼休みや放課後を利用して、添削してもらい、指導してもらいました。家に帰って、その添削してもらったのをもう一度書き直しました。そしてその日の分のエッセイに取り組んでいました。