出願

推薦状

推薦状概要

推薦状は第三者から客観的にみたあなたのアピールポイントを伝えるものです。
国や大学によって必要とされる推薦状の要件や内容が変わってくるので、志望する大学のHPや利用する出願機関(CommonApplicationやUCASなど)の要項をしっかりと確認しましょう。

このページではアメリカ大学の出願に必要な教員推薦状(TR)とスクールレポート(SR)、外部推薦状イギリス大学の出願に必要な推薦状を紹介します。

教員推薦状(TR)とスクールレポート(SR)とは

アメリカの大学に出願する際に必須になる提出書類に、本項で扱う TE(Teacher Evaluation)と SR(School Report)と言うものがあります。
TE/SR は簡単に言えば「教員推薦状」のことで、学校の先生から見たあなたの様子が推薦文章や項目評価によって詳細に記載される文章です。これらはともに、在籍している高校の教員がアメリカの出願先に直接提出します。先生が普段書き慣れている調査書や推薦入試、AO などで使う推薦文とは趣旨の異なったものです。
校内外でのあなたの生活からどのような人格が垣間見られるか、なぜあなたが○○大学にふさわしいのか等が教員の視点から語られるため、Admission Officer はこれをもとにあなたが第三者(教員)からみてどのような人間であるかを判定します。

教員推薦状(TR)とスクールレポート(SR)に書く事柄

TE と SR の構成はさほど変わりません。主に以下の内容が記載されます。

a) 名前や教科などの基本情報

b) 生徒を何年、どのようなコースで教えていたか

c) 他生徒と比べた人物評価(academic achievement, quality of writing, maturity, leadership などの項目が、top 1%, 5%, 10%, …という風にそれぞれ評価される)

d) 推薦者のことを思い浮かべたときに最初に頭に浮かぶ言葉

e) 推薦文(No.4-3 で後述)

SR にはさらに

f) 生徒がとっていたコースやそのレベル

g) 成績(Transcript の章を参照。最終的には推薦書の中に証明書が盛り込まれる)

h) 学校紹介 (後述の school profile の項目を参照)

教員推薦状(TR)とスクールレポート(SR)の違い

TE と SR の構成自体はさほど変わらないと前項で述べました。しかし、その中に含まれている「教員推薦文」は、それぞれで書く先生・内容・人数が異なります。細かい違いは以下の通りですが、大まかには TE で教科担当に主にアカデミックな内容を書いてもらい、SR で好きな先生に教科・課外活動・性格など様々なことを書いてもらいます。

A. TE (Teacher Evaluation)

【書く人】
・あなたの授業を受け持っている(いた)先生(年数が長いとよい)
【書く内容】
・教科の成績(点数だけではなくて、提出課題がとても優秀だったため授業で紹介した、授業内容を掘り下げて自分でレポートを書いた、など)
・授業態度(よく残って質問をする、周りの生徒に教えているなど)
・教科に関連する活動(○○オリンピック、大学で研究をしていたなど)
・その他(部活動、生徒会の顧問をやっている先生ならばそのことなと)
【書く人数】
・大学によりまちまち(ex. 二人は必須で最大4人まで、など)
【書く分量】
・一般的には A4 1 ページ〜1 ページ半と言われているが、特に制限はなく多くても少なくてもよい。読み手(Admission Officer)にとって最も効果的な分量を考える必要があり、場合によっては3ページ程になる人もいる。

B. SR (School Report)

【書く人】
・学校にいる先生であなたの性格や課外活動といった、学問的側面以外のことを深く知っている先生。必ずしも授業を受け持っている先生でなくてもよい。進路指導担当、部活動の顧問、校長など
【書く内容】
・アカデミックなこと、課外活動、生活態度など様々
【書く人数】
・志願者につき一人の先生まで
【書く分量】
・TE 同様

注意事項・アドバイス

アメリカの学校では基本的に TE や SR は生徒に見せられることなく、直接大学側に送られます。日本の高校でも基本的にルールは同じで、最終的には先述の通り、先生自身がCommon Applicationのアカウントを作成して大学に送る必要があります。しかしながら日本では、先生がアメリカに出願するということ、英語で推薦文を書くということに慣れていないため、生徒が彼らに代わって TE や SR の内容(特に推薦文の構成や盛り込む要素)をある程度決められる機会が少なくありません。そこでこの項では、過去の日本からの留学生の意見をもとに、TE/SR の担当先生を決定しお願いしてから、お互い不慣れな中なんとか大学に送付するまでに注意すべきことを記載しておきます。なお、インターナショナルスクールやたくさんの生徒を海外の大学に送り出している場合は、アメリカの高校と同じように先生が TE や SR に関して一切内容を生徒に見せない場合があり、以下の注意事項の一部が参考にならない可能性もあります。

A. 基本的な心構え

・ 推薦書に書いてもらう内容について自分でもしっかりプランを立てて、先生に提案すれば大きなメリットとなる。特に、海外に向けての推薦状に先生が慣れていない場合は一緒に考えると大きな方向性のずれは生じにくい。
・ 推薦書の最大の役割は自分について「大人、先生の視点」から書いてもらえること。
・ アプリケーション全体を見たときに、まだ書かれていないこと、さらに強く、別の視点から強調したいことを書く。複数箇所で重複してしまってもあまり効果はない。

B. 先生を決めるとき

・ TE は二人以上必須である場合が多く、文系の先生1人、理系の先生1人、とするとバランスがとれる。海外に出願しようとするだけあって英語は得意な人が多く、英語の先生に書いてもらっている出願者も多い。しかし実際には、文系の先生だけ、もしくは理系の先生だけという人もおり、依頼する先生の教科は様々。
・ TE の科目は必ずしも得意科目である必要はない。むしろ、最初は苦手だったが自力で困難を乗り越えて得意になれた、といったエピソードも評価されうる。
・ 担当年数を記入するところもあるので、付き合いは長ければ長い方が良いが、それよりはより内容的に自分のアプリケーションにとってプラスとなるようなことを書いてもらえる先生にお願いするべき。

C. 先生に頼むとき

・「学校長」、「二年以上その学校で勤めている教諭」など、先生に制限が付けられている場合もあるので大学のウェブサイトを見るなどして確認する。
・ ただ単にお願いしますといっただけではうまく行かないことが多い。書く内容をメモとして渡したり、先生と何度か話し合って内容を決めたりすると濃い文章が書ける。
・ early action に申し込むのであれば、夏休み前から考え、2学期の頭にはちゃんと書き始めてもらうとよい(できれば夏休み前に頼む)。2学期は多くの高校の場合、学園祭があったり、中間試験もあったりと先生たちが何かと忙しい。regular action のみの場合も2学期はじめにはお願いしに行った方がいいだろう。

D. 文章を作成するとき

・ 最終的には英語の文章を送るので、英語が得意な教員にお願いする場合でない限り自分で翻訳する、学校のネイティブの先生にチェックをもらうなどする必要がある。また大学によっては日本語の原文や教師のサインを要求してくる場合もあるので要注意。
・ 他の生徒と違ってどのようなところがユニークで優れているのかを書いてもらうとよい。結局はたくさんの Application の中で自分を目立たせなければいけない。
・ どんな賞をもらったかとか大会に出たとかを書くだけでは効果的ではない。Common Application で賞の名前を書ける場所があるし、自分の課外活動にどのくらい時間をかけたかも書ける。先生には background story—つまり、もらった表彰やかけた時間数だけからは見えない出来事を書いてもらうとよい。賞をもらうまでにどのようなことを具体的にしたのか。何かそれを象徴するエピソードがあるとより効果的。
・ エッセイで書きにくいこと(自慢しているように聞こえてしまう事や、良い事をしたのに自分で言うとカッコ悪くなってしまうような事)を入れてもらうとよい。

外部推薦状

外部推薦状とは学校の先生以外の人に頼む推薦状のことです。これに重きを置くかもしくはあまり好まないかまで、大学によって異なりますので、各大学のホームページで確認してみましょう。
書き方の基本は教員推薦状(TR)と同じですが、学校の先生に書いてもらう訳ではないのでアカデミックを中心に書く必要がありません。従って、例えば課外活動でのことをより具体的に、より掘り下げて書いてもらうことができます。夏休みに研究室で教授と共同研究をしたのならばその教授に自分がどれだけその分野を熱心に追求していたのか、どのくらいのレベルのことをやっていたのかなどを具体的に書いてもらうことができます。もちろん、研究に限らず他にも幅広く書いてもらえることはあります。

イギリスの大学向け推薦状

イギリス大学受験の場合、推薦文は基本的に一通で大丈夫です。
問題は誰に書いてもらうのかということですが、それは自分の一番身近にいて、親しい先生に書いてもらうといいでしょう。日本語で書いてくれた場合は翻訳業者、または知り合いなどを利用して英訳してもらいましょう。その場合は時間もかかるので、期日通りに提出できるよう、きちんとスケジュールを先生にも伝えた上で進めるように心がけましょう。

推薦の段階でアメリカ以上に「大学で何を学びたいか」が重要視されるようです。それもそのはずでイギリスの大学は願書を学部ごとに審査し、教養学部がなく、最初から専門的な内容しか教えません。それを伝えるためには一般的に以下のフォーマットが知られています:

文章全体で625words程が望ましいとされています。日本語にすると原稿用紙一枚半くらいです。文章の配分としては

A)成績と学力においての他の生徒との比較。
(About 150 words about your academic results, placing you in context of your peers and briefly the standing of your school, and your predicted end results.)

B)志望する学部の授業を今後どれくらい続けられると思われるか(つまり授業について行ける保証)。学力上の個人の能力、強み。
(Then 325 words about your academic suitability for your chosen subject, your academic qualities and your strengths. Do not say negative things!)

C)対人関係について、課外活動での成果、興味や趣味など。
(Then 150 words about your character, interpersonal skills, extra-curricular abilities, interests and achievements, concluding with something like “I have great pleasure in recommending him without hesitation.)

が一般的だと言われます。しかし、決まりきったテンプレートもなく推薦文だけで合否が決まるわけでもないので、細かいことにはそれほど気にする必要もないでしょう。