海外大学進学という進路には確かに、学費・語学力・出願方法の違いなど様々な障壁が存在します。中でも学費は、多くの学生やその保護者の方々にとって重要な問題なのではないでしょうか。概して、アメリカ・イギリスといった国々に長期留学する場合、日本国内の大学へ進学した場合に比べると授業料や生活費が高額である場合が多いという事実もあります。
しかし、学費が多くの海外大志望者にとって大事な課題だからこそ、その解決策もまた多く存在します。実は、国内外の様々な団体が「(日本の)優秀な学生を海外で学ばせる」「(日本出身者を含めた)優秀な留学生を呼び込む」といった目的で、経済的支援を展開しています。留フェロのコミュニティ内でも、そうした機会を得たことで海外大学への進学を決断できた学生が多くいます。そのため、留ナビでは海外進学実現のために欠かせない情報として、奨学金に関してもご紹介します。
ちなみに、海外大学への進学という文脈においては、「奨学金」はscholarshipの訳語として、返済義務のない給付型学資援助のことを指し、返済義務のある貸与型の学資ローンを意味しない場合が多いので、注意してください。
まず、日本国内の政府や民間企業がスポンサーとなって設立した、海外大学進学者支援のための給付型奨学金についてご説明します。これらは後述の大学からの援助と比べ、まとまった額を支援していることが多い一方で、進学先に関して特定の国・大学の形態やレベル・専攻分野などの条件を設けている場合もあります。
近年、こうした奨学金、特に大学院進学に限らず学部正規留学のための奨学金を新設する動きが相次いでおり、海外大学進学を目指す学生にとっては追い風ともいえる時代が到来しています。実際に、ここに挙げた5つのうち3つ(柳井正財団、JASSO、孫正義育英財団)は2017年に設立されたばかりのものです。
ここでは特に、海外大学進学者を潤沢な資金で支援しており、留フェロとの関わりも深い5つの代表的な奨学金を紹介します。支援内容や対象者に関しては、2022年5月時点の情報を掲載しています。募集内容が変更される可能性もありますので、詳細は各奨学金の公式サイトを必ずご確認ください。
※留学フェローシップは協力団体として候補者の紹介を行っています。
一方で、各国の進学先の大学から受けることのできる経済的援助も存在します。アメリカではfinancial aidやgrant、イギリスではscholarshipと呼ばれるこうした大学内部の奨学金は、どちらかといえば日本の教育機関における「特待生制度」が意味するものに近いかもしれません。