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Boston College: 学生の声

実際に進学している学生に、それぞれの学生生活や、学校について感じていることについて聞いてみました。

回答してくれた学生: Y.H

1. 校風について

Q. 大学が大切にしている理念を表す「キーワード」はありますか?

– モットー:”Ever to Excel” (ホメロスの「イリアス」より)
– 皆んなの口癖:To be people for others
– Formative Eductation / Education of the Whole Person:生徒がintellectually, socially, spiritually成長できる教育を提供
– “Go Eagles!”:BCは31のD-1スポーツチームを誇るので、大学は常にスポーツ観戦に盛り上がり、スクールスピリットが強いです!


Q. 学生は、どんな雰囲気ですか?

– 優しい。People for othersって言うくらいだから、社会貢献だけじゃなくて、身近な仲間を大切にする人が多い。どちらかというと裕福な白人層が多いが、自分のprivilegeを理解し、それを人のために活用しようとする人も多いなと感じる(勿論全員ではないだろうが)。
– スクールスピリットが強い。スポーツ、芸術、起業イベント、何にしても大学内のイベントが常にお祭り騒ぎなイメージ。大学内のダンス大会のチケットが即完売したり、夜遅いバスケの試合でも満席になったりと、お互いの活動を常に応援しようとする姿勢が感じられる。アメフトの試合がある日は、キャンパス中にテントやバルーンハウスなどが張られ、BBQしたり、ゲームをする生徒、教授、家族などで溢れる。私はチアダンスをしていてリハがあるため参加できないが、卒業したらこのテールゲート・パーティーに参加したい!
– オン・オフの切り替え上手。平日の夜の図書館は常に混みがち(テスト期間はそこで寝泊まりする人も)。同時に、週末のパーティーの多さ・激しさが凄い。


Q. 大学が大切にしている理念を表す「キーワード」はありますか?

私はそもそも、少人数制やディスカッションベースの授業しか取らないし、教育・人間発達学部生なので生徒の「教育」に一生懸命な教授から教わることが多いため、ある程度のバイアスはあると思う。ただ、私が今まで教わった教授は皆んなとても親身で、授業外にも話しやすい人ばかりだった。
オフィスアワーやメールのやりとりなどで、授業の話は勿論、私の近況や今までの人生などについて聞いてくれる教授も多く、「私自身」を知ろうとしてくれていることをいつもありがたく思う。大好きな文学な教授は初日から全員の名前を知ってくれていたり、哲学の教授は東京都が緊急事態宣言を発表した際には真っ先に連絡してくれたりと、本当に生徒思いの教授が多いなと感じる。
後は用意していた授業内容から脱線してしまっても、クラスのディスカッションを優先してくれる教授が多い気がする。教授は自分の講義にとらわれず、自然発祥的に生まれた生徒間の議論を拾い、広げてくれるので、凄く面白い上に「授業に参加して良かったな」と感じる瞬間が多い。


2. 授業・カリキュラムについて

Q. 授業・カリキュラムはどんな感じですか?卒業要件などについても、教えてください。

総合大学:8 Schools & 58 Majors
BCは学部生と院生両方が所属するSchool of Arts&Sciences, Management, Nursing, Education & Human Developmentと院生のみのSchool of Law, Social Work, Theology & Ministry, Advancing Studiesの計8つの学部で構成されていて、専攻やプログラムも多数あるため、カリキュラムや卒業要件は生徒それぞれで結構変わってきます。

リベラルアーツ教育: Core Curriculum
BCはどの学部の生徒であっても、幅広く学べるように、Core Curriculm(Arts, Cultural Diversity, Literature, Writing, Mathematics, History x2, Natural Science x2, Philosophy x2, Social Sciences x2, Theology x2の計15つの必修分野)を導入しています。ただ、自由度は高く、自分の専攻の必修科目で満たせたり、以下の特別プログラムなどで満たすことができます。

Complex Problems & Enduring Questions
本当におすすめるプログラムの一つ:そもそものトピックが毎回全て面白く、学びの質がとにかく高く、少人数制かつ1年生のみということで、クラス全体で仲良くなれる。また、2つのdepartmentの教授が協力して作る授業なため、一度に2つのcore requirementを満たすことができる(例:私がとった”Metamorphosis”という授業では文学と生物の要件を満たせた)。答えがそもそもなかったり、深い思考・議論を繰り返さなければ答えを導けないテーマをもとに、全く関係のないような科目の教授たちが協力してカリキュラムを作る…つまらないわけないじゃないですか!!

PULSE Program for Service Learning
こちらも大好き、かつ私の学びの方向性にだいぶ影響を与えてくれたプログラムの一つ。1年間PULSEを取ることで、Theology (2) と Philosophy (2)を一気に満たせるというのは「おまけ」みたいな感じで、1番の良さは一人一人が配属されるボストン市内のservice placementでの出会いや、そこでの経験を紐解いたり難易度の高い議論を交わせるクラスルームでの学び。生徒は各々、ホームレスシェルター、特別支援学校、移民支援施設など様々なコミュニティで毎週10時間程過ごすので、現代社会の議題についてただ知識を元に考えるのではなく現場で当事者の方々に寄り添うことができるのは本当に素敵な経験だったなと思います。また、自分の社会的、倫理的責任について深く考え直すきっかけになりましたし、古代や現代の哲学者、神学者などから学べる「生き方」も沢山ありました。

その他にも面白いプログラム多数!また、学部生の多くが所属するSchool of Arts&Science(教養学部)の生徒はLanguage Requirementがあるみたい。

3年生で留学する人が多いけれど、看護学部、教育学部の生徒は実習のrequirementがある関係で、1年生の時からしっかり計画を立てることが重要。授業の取りやすさでいうと、上の学年から履修登録の期間が始まって、自分の学年内ではランダムで”Pick-Time”が渡されて、その時間帯が最後の方だとたまに好きな授業が取れないことも…。ただ、core requirementも結構あるから、自分の興味分野の科目が空いてなくても、別の授業に挑戦するきっかけになったりもするから、そこまでストレスに感じたことはありません。


Q. 何か印象に残っている授業はありましたか?

カリキュラムの特徴で既に書いてしまったんですけど、PULSE Programは本当に最高で、学びの方向性を変えるきっかけになりました。私は、応用心理学・人間発達専攻としてBCに入学し、1年の終わりに医療人文学の副専攻を決めました。この段階ではどちらかというと、Human/Health Serviceに興味があって、自分の知識や経験をもとに直接的に子供やその家族に影響を与えたいと思っていました。

それが、PULSEを通して様々な社会問題を多数の価値観から考え直し、実習やゲストスピーカーとの出会いによって当事者の方々に寄り添う機会をいただいたことで、自分が起こしたい social chageだったり、理想の社会の実現のためにはよりマクロな視点を得てアプローチすることが大切だと気付きました。そのため、自分の専攻の専門分野を “Community, Advocacy, & Social Policy” に変え、3年次からそれに特化した学びを探求しようと思っています。また、医療人文学の専門分野も倫理的な部分にフォーカスしようと、PULSEの哲学の授業をきっかけに思いました。


3. 留学生について

Q. 留学生コミュニティについて、教えてください?

留学生は全体の8%、AHANA(アフリカン、ヒスパニック、アジアン、ネーティブアメリカンのルーツを持つ学生)が34%。留学生やAHANA生徒に対するプログラムや支援がとにかくとても充実しているなと感じる。特別なオリエンテーションがあったり、メンターシッププログラムがあったり、イベントが多数あったりと、大学内で圧倒的に「マイノリティー」であるからこそサポートに力を入れているんだと思います。

私自身、あまり留学生コミュニティに積極的に関わっていないのですが(日本人がほとんどいなく、留学生という観点で繋がりを持てる生徒が少ないと1年生の入学時に感じてしまった)、コミュニティからのイベントの誘いは沢山きますし、1年時にはInternational Assistantというメンターがついてくれました。また、自分の大学にいなくても、ボストン自体に留学生が沢山いるため、ホームシックになった際に会ったり、留学生特有の相談をする機会は多いことがありがたいです。


Q. 留学生に対して、大学からのサポートはありますか?

Office of International Studentsがとにかく親切で、常に沢山の情報提供、サポート、コミュニティ構築をしてくれています。ビザやOPTの質問以外にも、コロナウィルスの関係で帰国するか迷った際に相談もしにいきました。

また、入学時に留学生はLiterature/Writingの試験を受け、必要であれば留学生専用のAcademic Writing Classに配属されます。私は通常のクラスだったため、経験からは語れないのですが、多くの留学生にとって苦手分野である「大学レベルのライティング」を徹底的にサポートしてくれるのは凄く大切だと思います。また、留学生関係なく、アカデミックのチューターシステムは充実してる印象です。


Q. 日本人留学生や、日本にルーツを持つ人々と関わる機会はありますか?

学部生が1万人弱いるのに、日本の高校から正規留学生として来てる「日本人」は私の知る限り私ともう1人くらい。とにかく日本人が少ない。日本からの交換留学生、アメリカにずっと住んでいるハーフやクォーターの子、日本のインターナショナルスクールに通っていたアメリカ人、日系アメリカ・ブラジル人の学生がはいるのは知っているけど、「日本人留学生」としての相談をする機会や、日本語を話す機会はあまりないなと感じています。

ただ、Japan Clubはあって、日本語を学んでいたり、日本の文化が好きな学生が多く所属しています。そこで日本食を作ったり、日本の文化に関係するイベントを開催する機会はあって、他文化、多様性のあるJapan Clubが実はとても好きです。


4. 学生生活について

Q. 寮のシステムや雰囲気について教えてください。食事は提供されるのですか?

BCは30の寮、13のダイニングホールがあります。

1年生:全員、チェスナットヒルキャンパスのUpper (60%) という部分か、ニュートンキャンパス (40%) にある寮に配属されます。2人部屋が多く、3,4人部屋もある。1人部屋は基本的に医療的ニーズがある子のみになっています。トイレ・シャワー共同で、ミールプランには強制加入です。通常の寮とは別に、Kostka Women’s Experience(女性), Multicultural Learning Experience(多文化), Perspectives Living & Learning(アカデミック), Shaw Leadership Progam(次世代リーダー), Healthy Living(健康), Seacole Scholars(看護)というLiving & Learning Communities(テーマ制の寮)が6つあります。

2年生:ほとんどの学生がチェスナットヒルキャンパスのLowerにある寮に、一部はキャンパスの外にある(徒歩10分、シャトルバスあり)アパートタイプの寮に住みます。2人部屋から9人部屋と寮のスタイルは様々です。キッチンがある寮に住む学生はミールプランに入る必要があえりません。2年生はHealthy Living(健康)とSustainability(環境)のLiving & Learning Communitiesがあります。

3年生:多くの3年生がオフキャンパスで住みます。大学がアパート探しなどは支援してくれますし、ほとんどの学生が大学近辺(シャトルバス、車で簡単に通える距離)に住みます。留学生、看護生、アスリートなどは基本的にキャンパス内の寮に残ります。

4年生:ほとんどの学生がキャンパスに戻ってきます。4年生に一番人気なのは庭付きのロッジハウスのような寮か、ホテルのようなアパート式の寮です。部屋専用のトイレ・バスがあったり、フルキッチンがあったりと、優雅な生活ができます。また、Honors Houseという成績優秀者用の、アカデミックと生活が融合された寮もあります。

その他のLiving & Learning Communitiesについてはホームページで確認してください!私は、2年生の時にSustainabilityに住み、3年生の時はHealthy Livingに住む予定です。プログラム内でのイベントが充実していたり、他の寮より綺麗、施設が’充実しているので良いです。ただ、選考があるのと、プログラム内でのルールがあるので注意。


Q. 週末はどのようにして過ごしていますか?

私は Varisty Pom Teamという大学のチアダンス競技チームに所属しているため、週末は基本的にその活動をしていることが多い。自分たちの練習、リハーサルをしたり、アメフトやバスケの応援をしたりなど。

この関係で自分から遠くに遊びに行くことは稀だが、ボストンに遊びに来る友達が多いため、週末に自分の寮に泊めたり、ご飯を食べに行ったりなどはしてます!春学期は毎週のように他大学の友人がたまたま遊びに来てくれて、楽しかったです。

後はチームでホームパーティを開いたり、ルームメイト達と料理をしたりと比較的のんびり過ごしています〜


Q. 大学生活の中で、地域のコミュニティと関わることはありますか?

ボストンはとにかく「学生の街」なので、少し郊外にあるBCでも他大学と交流する機会は多いです。

それ以上に、ボストン市内でのコミュニティパートナーが多いので、実習、サービスラーニング、インターンをする機会が多々あります。私自身、PULSE Programの一環で、ボストンの公立小学校で実習をしました。

また、有名な美術館、博物館などに無料で行けるので、授業や趣味で遊びに行くことが多いです。


5. 大学の周りの地域について

Q. 大学の周りは、どんな環境ですか?日本食は調達できますか?

BCは実はボストン市内ではく、チェスナットヒルという可愛い地域にあります。ボストン市内へのアクセスは良く(電車、バスの路線が多く、街中まで30分くらい)、郊外なので緑も多く、治安が良いです。日本の街で例えづらいですが、自由が丘(?)みたいな感じかな。

大学から徒歩圏内に少し飲食店やコンビニ・ドラッグストアがあるくらいで、あまり栄えてるとは言えないですが、大学からのシャトルバスで楽にチェスナットヒルモール、スーパーマーケット、電車の駅などに行けます。後は、ボストン市内を走る電車の一つの終点が “Boston College” なのでずっと座っていられる、電車代がかからない(ラッキーだと空港から大学まで無料)など利点があります!

実習や遊ぶ際に気楽に街中に出れて、1日の終わりに落ち着いたチェスナットヒルに帰ってこられることにほっとします。後は、基本的にBCが中心の学生街なので、街中の大学よりもキャンパスライフが充実してるイメージです。


Q. 大学の周りの交通網はどんな感じですか?日本からのアクセスは?

ボストンまで電車利用(無料〜3ドル)で最短で30分。良く遊びに行くケンブリッジ(ハーバード大など)地域もバスで25分程
日本からは、東京−ボストンの直通便に乗っています。長期休みの際は飛行場(Logan Airport)や中心のバスターミナル(South Station)まで大学から無料のシャトルバスが出ます。

大学のシャトルバスは、3つのキャンパスを行き来、キャンパス内、街中まで、近辺の駅やモールまでと複数走ってます!
私は基本的に公共機関を使いますが、Uberも沢山走っているので、友達と一緒に乗って割り勘することもあります。


6. 大学生の、本音!

Q. 大学の好きなところは、ずばり?

思いやりでとにかく溢れている環境!そもそもBCの教育理念の一つが、他の人のため、社会のために自分の知恵や技術、リーダーシップを活用できる生徒を育てること。だからどんな場面でも(勿論授業やアカデミックプログラム、大学の理念や雰囲気、生徒活動などなど)、人との繋がりや、自分の当たり前を疑うこと、社会正義などが重要視されているなって感じる。後は、どんな相手にも思いやりの気持ちを向ける姿勢の人が多いからこそ、BCの人とは自然と信頼関係を築きやすいし、素直な対話がしやすいなって思う。だからこそ、生徒、教授、コミュニティパートナーたちから、経験に基づいた「学び」を沢山いただいてるな…って日々感じてます!

もう一つ、分野横断的だったり、少し変わったアカデミックプログラムが多い!中高生の時はあまり勉強に対して前向きじゃなかったんだけど、BCでは履修登録をするたびにワクワクするし、こういう「特別授業」が毎回期待以上に面白かったり、学びが多かったりする!


Q. 反対に、大学に対して不満に感じるところはありますか?

BCはカトリック(イエズス会)の大学で、だからと言ってそれ以外の思想や価値観が排除されるわけではないが(私自身キリスト教徒ではないが居心地悪く感じたことはない)ひっかかる瞬間もある。特に、他大学と比べると「性」に対する活動が遅れてるような気がする。LGBTQに関する議論、性教育、性犯罪にあったときのサポートシステムは勿論あるし、生徒もどちらかというとリベラルな子は多い印象。ただ、他大学のように、寮に避妊具が用意されていたり、ジェンダーフリーのトイレがあるわけではない。

社会のあらゆる変化や議題に合わせて、カトリックコミュニティも議論を続け、姿勢を変えてきているとはいうものの、「どんな学生でも受け入れられる体制」ではまだないなと残念に思う。


Q. 大学には、面白い伝統やイベントがありますか?

Campus Activities Board (CAB)が中心に常にいろんなイベントが行われてるから本当に選べないけれど、特に楽しかったのはALC Showdownかな。大学内最大のダンス大会で、文化の多様性を広めることやメッセージを届けることがテーマになっているから、各ダンスチームの演技が上手なだけじゃなくて、いろんな意味が込められていることが特徴です!

後はやっぱマラソンマンデー!!ボストンマラソンの走者がBCを通るから、その日は授業も全部なくて、生徒みんなで走者を応援したりします!

スポーツファンでなくても、アメフトの試合は学生のうちに1回は行くべきだと思う!後、キリスト教じゃなくても一度はミサに行くと新しい発見があるかも。


Q. 大学のカフェテリアのおすすめメニューは?!

パン、ケーキ類がとにかく全て美味しい!お気に入りはキャロットケーキです。

夕食のみパスタカウンターで好きな食材・ソースを選んでその場でコックさんが調理をしてくれる。列が凄いけれど、出来立ての自分好みのパスタが食べれて最高!

定期的にテーマのある食事会が開かれていて、楽しい(美味しさはその都度違うので注意)!


7. 大学生からのメッセージ

Q. これから大学への留学を目指す人に、アドバイスはありますか?

自己分析と色んな人と話すこと。私の場合はこの2つが特に大切だったなって思います。海外大学が全ての人にとって良い選択である訳ではないし、どんな大学でもそこに行って何がしたいか、自分がどういう人になりたいか、っていうイメージを持つことが必要だと思います。私は、海外大学受験の準備は「自分を見つめ直して、自分の考えを深堀する期間」だと思っていて、そこから逃げずに沢山考え、言語化するのが鍵になると思います!ただ、これって1人でやろうとすると結構苦しかったり、上手にできなかったりすると思うんですね。だから、色んな人に頼って、沢山情報収集したり、対話を通して自己分析のお手伝いをしてもらうと良いんじゃないかなって思います。高校生の私は本当に自信がない子だったので、結果的に主体的な進路選択をし、夢に向かって頑張れたのは、沢山の同輩、先輩とお話しできたおかげだと思っています!