メディアと聞くと、すぐ思い浮かぶのがソーシャルメディアやテレビ、パソコンといったテクノロジー。テレビの歴史、デジタルメディアの有用性、近年になってはAIについて学べるのはもちろん、幅広い定義でメディアとは何なのか、メディアがどのように現代社会を形成しているのかについて学ぶことが出来、アカデミア界ではまだ新しい学問の一つである。
メディアとは「object (物)」ではなく「medium (媒体)」なので、工学や歴史学のように特定の物事を徹底的に分析・研究をするのではなく、テクノロジー、心理学、社会学、コミュニケーション学などありとあらゆる分野の視点を借りながら現代社会で起きている現象を理解する学問になっている。(めぐ)
(参考:https://steinhardt.nyu.edu/degree/bs-media-culture-and-communication)
世の中のトレンドに敏感でありながら、自分の意見を主張するのを恐れない強いハートが必要である。
他の学問とは違い、この学問は現代社会の問題を取り上げ、批判を繰り返しながら、将来の社会形成に大きく関わっている。メディアの影響力がまだ未知数だからこそ、未来図を設計するのがこの学問の試練なのかもしれない。なので、常にトレンドの前を行き、そのトレンドの社会へのメリット・デメリットを伝える能力を備えておく必要がある。(めぐ)
メディア学の基礎となるのが、アドルノが1930年に提唱した文化産業論。そこから歴史を辿るように、様々な理論について学び、メディア学の基礎を頭に叩き込んだ。この授業を取る半分以上の生徒が単位を落とすと言われている難関な授業だが、これを突破しない限り専攻することが出来ない。
期末試験では、”What’s the difference between Monster and Cyborg(怪物とサイボーグの違いを述べよ)”という正直訳がわからない問題が出題された。正解は、フランケンシュタインみたいな怪物には創造主がいるが、サイボーグは人間とロボットが入り混じった種なので、原点がない、だそう。
最近携帯なしでは生きていけなくなっている人間が怪物ではなく、サイボーグであると理解をすると、皆混血種であるということになるので、差別を根絶すべきだと提唱したのがDonna J. Harrawayらしい。
(Logo: New York University)
めぐ
私は教育×テクノロジーの可能性に興味があるので、そのテクノロジーの部分の知識とスキルを向上出来ないかと思いこの授業を取ることに決めた。演劇学副専攻ということもあり、芸術にはどっぷりハマった生活を幼い頃から送ってきたのだが、工学に関しては本当に基礎の「き」から学ばないといけないくらいのレベルであった。中学校以降は理系の授業でいうと数学と化学しか選択していなかったので、工学に関しては授業についていくことすら大変だった。
この授業では主にArduinoという工学セットを使い、部品の組み立て、パソコンにコードを打ち込む。ソフトウェアとハードウェアの両者をかじりつく授業。
(Logo: NYU Abu Dhabi)
Atoka
「どれほど無作為に見えても、映画の全ては恣意的な選択の産物だ。」毎週2本の映画を見ながら、スクリーンの中の限られた情報を用いて設定や人物像などをどのようにして視聴者に伝えるのか、ということを幅広く考えていく授業。
カメラの設置位置や撮影技術、照明の当て方や雰囲気に合わせた音(楽曲に限らず物音や音響効果など)の選択、さらには登場人物の衣装にまで、一視聴者としてどのような解釈ができるかということを考える。
期末エッセイは文字数指定のみで、学期中を通して鑑賞した作品の中から、自由に切り口を選んで書くというものだった。
(Logo: Carleton College)
Hiromichi
身近のプライバシー問題について、法的、心理学的、コミュニケーション学的観点から分析。15人ぐらいの小さいクラスでのディスカッション形式の授業だったので、トピックに基づいて一人の生徒がケーススタディを持ち寄り、その週課せられていたリーディング課題を元に分析をしていた。
一番思い出に残っているケーススタディはプライバシー観点から紐解く、Uber社のプラットフォームを使用した新しい事業のデメリット。
(Logo: New York University)
めぐ
「月面着陸はデマだった」と信じている教授による、正直ぶっとんでいるけど面白い授業。プロパガンダと聞くとナチスや北朝鮮など日常からかけ離れたものを想像しがちだが、私たちの身の回りにもたくさん潜んでいることを教えてくれる。
自分が今まで信じてきたことを真正面から否定される新感覚の授業。
(Logo: New York University)
めぐ
アカデミー賞、アメリカンフットボールの祭典スーパーボール、ビヨンセ、レディーガガなどアメリカのありとあらゆるキラキラしたものをぶった斬る授業。
キラキラの裏には必ず何かが潜んでいる。。。少し悲観的になってしまうが、批判的思考力が身につく授業となっている。ビヨンセとレディーガガの線密に計画された戦略には度肝を抜かれた。
(Logo: New York University)
めぐ
イントロの授業で得た知識を応用し、実践する授業。
フォトショップについて学んだ週もあれば、グループでセサミストリートの展示に足を運び、美術館の空間の使い方について研究した週もあった。一番印象的だったプロジェクトは、大学の図書館でのエスノグラフィー調査。グループメンバーとともに、学生がどのように図書館を利用しているのか調査した後、結果をビデオにまとめた。深夜テンションで図書館の一室でカラオケをする強者がいるとわかったので、友達と図書館でアリアナグランデのThank you next に合わせて歌って踊ったのが思い出。
(Logo: New York University)
めぐ
週20時間インターンシップに励み、最後にその経験について400字のエッセイを書き上げる実践型の授業。
(Logo: New York University)
めぐ