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Carleton College: 学生の声

実際に進学している学生に、それぞれの学生生活や、学校について感じていることについて聞いてみました。

回答してくれた学生: R.K, A.S

1. 校風について

Q. 大学が大切にしている理念を表す「キーワード」はありますか?

– The Revelation / Announcement of Your Words Illuminates(大学のモットー。聞いたことがありませんでした…)
– Collaborationはカールトンの校風・雰囲気を語る上で重要なキーワードです。常に競争ではなく協力が求められていて、友達や教授と一緒にやることで、より多くの学びを得ることができます。

Diversity inclusionに対する意識は他のアメリカの大学と比べても高いです。トップダウンで人種やジェンダーに関するインプットがあるだけでなく、生徒が自主的に多様性に関する議論をしていることも多々あり、そのようなリベラルな生徒が多いと思います。新学期の授業やサークルなどの自己紹介で必ず自分のpronoun(she/her/hers etc.)を言う癖がついてるのが特徴です。
New Student Weekで自分はマイノリティではないと言うことに気付かせるため、新入生がホールに集まり、「虐待をされたことがある」「肌の色が理由で他人と違う扱いをされたことがある」などパーソナルな質問に当てはまる人が全員立つと言うプログラムには驚きました。


Q. 学生は、どんな雰囲気ですか?

みんな優しく、穏やかです。のんびりとした人が多い印象です。
ミネソタなのでお金持ち白人がとても多いです。アジア人は結構少ないです。でもみんなとてもリベラルです(カールトンの7割がBernie Sandersを支持しているという噂も)。

他校と比べて、ということでいうとかなり穏健でフレンドリー、open-mindedな人が多いと思います。また愛校心が非常に強いのも感じ、現役生で卒業したくないと感じてる人が多いことに加え、卒業生が何度もキャンパスに戻ってくる、きたいと思う、そういうコミュニティだと思います。特に卒業生によるキャリア支援やendorsementは高い方です。


Q. 大学が大切にしている理念を表す「キーワード」はありますか?

教授はとても優しく、協力的で、常に最大限のサポートしてくれます。授業内外で生徒一人一人について深く知って、それぞれの良さを引き出そうとしてくれます。

やはりリベラルアーツならではのインターアクティブな授業が多く、ほぼ全授業、宿題だったリーディングについてなどのディスカッションを挟みながら先生がレクチャーを進めるという形式です。
教授の”教える”ということに対するモチベーションは非常に高いように感じていて、この急遽決まった授業オンライン化に対しても、ほとんどの教授が春休みを献上してオンライン授業の効果的な進め方を学び、寝る間も惜しんで授業の準備をしてくれていたそうです。また普段からオフィスアワーを活用する生徒も多く、どんなレベルの生徒に対しても学ぶ姿勢さえあれば辛抱強くサポートしてくれます。


2. 授業・カリキュラムについて

Q. 授業・カリキュラムはどんな感じですか?卒業要件などについても、教えてください。

・クラスはほとんどが30人以下と決まっています。
・Requirementはとても細かく、12カテゴリーを卒業までに取らなければなりません。(多くの授業が複数のカテゴリーを満たしています。)
・これに加え、Language(日本語話せればパス)とPE4クラスと3つの異なる分野からのライティングコースを取らなければなりません。

クラスの規模:15-20人が多数だがintroductionなど需要の多いクラスはどうしても1:多数のレクチャーになってしまう場合もある。多くても60人程。
卒業までの必修:General RequirementとMajor Requirementがある。General Requirementは6つのカテゴリーに分けられた授業を各カテゴリーから最低1授業は取らなければならないと言う物に加え、LanguageとPEもある。Languageは英語以外で一定のレベル以上話せる言語があれば免除される。PEは卒業までに4ターム分取らなければいけない。Major Requimentは自分の専攻の学部が決める必修科目で学部によって難易度も授業数も異なる。


Q. 何か印象に残っている授業はありましたか?

2年生の秋学期にとった開発経済学の授業で、実際にバングラデッシュに行って、現地の人々の暮らしや、経済開発への様々な取り組みを見てきました。現実が教科書に載っている理論とどれだけかけ離れているか目の当たりにしました。(2週間のトリップだったのですが、費用は全て大学のお金でした…!)

Price Theoryという経済専攻のrequirementの一つで、ミクロ経済の応用のクラスなのですが、先生が容赦なく、毎回試験の平均点は40点前後というクラスでした。毎授業与えられるproblem setに費やす時間と体力は本当にはかり知れませんでしたが、授業の内容は非常に興味深かったことに加え、クラスメイトと長時間一緒に試行錯誤していたため団結力が高まり、また全員、通常は経済専攻の生徒しか取らないクラスのため、今後も一緒に健闘できるコミュニティを築けたクラスでした。
大変なことを乗り越えて絶大な達成感を感じるのが好きな人には非常におすすめです。


3. 留学生について

Q. 留学生コミュニティについて、教えてください?

・全体の1割が留学生です。その半分以上が中国からの留学生で、ほとんどがアジアからの留学生です。ヨーロッパは比較的少ないです。
・最初に留学生向けオリエンテーションがあり、そこで仲良くなります。今でもよく遊んだりします。
・留学生向けのオフィスがあるので、そこで必要なサポートを受けれます。

留学生は全校生徒の約10%で、中国人、シンガポール人が多いです。アジア人が大多数で、ヨーロッパからはほぼ0、アフリカ、オセアニア、南アメリカからの留学生の割合はほぼ同じくらいだと思います。
Internationa Studentは1年次、New Student Weekよりさらに1週間早くキャンパスにつき、オリエンテーションに参加するため、そこで少人数で1週間を共に過ごした他の留学生とはやはりかなり密な関係になり、3年になった今でもほぼ全員と会ったら立ち話をするくらいには友達です。


Q. 留学生に対して、大学からのサポートはありますか?

・メンタリング制度があり、自分は1年生の時に、ひとつ学年が上の日本人の先輩がメンターになってくれて、チェックインしたり、アドバイスをくれたりしました。
・ライティングセンターでは留学生向けのピアメンタリング制度があったり、ワークショップもあります。
・奨学金も留学生にも支給されます。

Office of International and Intercultural Acticity(OIIL)というオフィスがあり、留学生のサポートは非常に手厚く手取り足取り書類の確認やリマインドなどをしてくれます。またスタッフの方々はOPTやCPTの知識もしっかり持っていて、慣れているので今のところ全ての手続きがスムーズに行えています。
一年時にはOIILのpeer leaderがメンターとして一人ずつついてくれるので、留学生ならではの悩みがある時も常に相談できる人がいるのも良い点です。
Writing mentorshipに関しては留学生だけに対するものではありませんが、予約だけでなくいつでもdrop-inで自分のエッセイなどを添削してもらえるpeer mentorshipに加え、プロのスタッフに添削かつ指導してもらうこともできます。
ESLはありませんでした。
ホストファミリーのプログラムはあり、週末ノースフィールドの家族とご飯を食べたり遊びに行ったりできるそうですが、International Student Orientationで紹介されたきりで、ほぼ誰も登録していません。


Q. 日本人留学生や、日本にルーツを持つ人々と関わる機会はありますか?

・日本人は最近増えてきた印象です。自分の学年は10人くらいいます。でもほとんどが、海外の高校出身かインターナショナルスクール出身です。
・日本人同士では仲が良く、学期に一回集まって飲み会をするのですが、普段からずっと一緒にいるわけではないです。

Japanese Associationというサークルがあり、日本人、日系アメリカ人、日本に興味のある生徒が一緒に邦画を見たり、日本食を作ったり、日本の文化体験をしたりしています。
それとは別に日本からの留学生だけで毎学期、鍋パーティー&飲み会を開催しており、そこが日本人留学生の先輩後輩と関わる主な機会になってます。集まると仲がいいですが、普段から頻繁に集まって料理しようとか、日本で一時帰国中に集まろう、というようなコミュニティではないです。
先輩の後輩に対するサポートは代々充実していて、相談できる先輩には会えると思うので安心してください。


4. 学生生活について

Q. 寮のシステムや雰囲気について教えてください。食事は提供されるのですか?

・4年生のごくわずかな人以外、全員寮に住み、ミールプランに入らなければならない。
・寮は、下級生は2人部屋が基本だが、1人部屋、3人部屋や4人部屋もある。上級生はスイート(2人部屋×2+1人部屋×2+共用キッチン・シャワー・トイレ)にも住める。

キャンパス外にアパートなどはほとんどないため、寮に住むことが基本強制、かつ寮に住まざるを得ないという環境です。上級生から次年度の部屋を選べるのですが、学年の中ではそれぞれ与えられる抽選番号が早かった人からなので、運も部屋のクオリティを左右します。大抵、大学の両端にある、牢獄のような建築のMusserとGoodhueという寮が売れ残り下級生に回ります。
ミールプランも原則強制で、週に20, 15食のどちらかのみ選べます。ダイニングホールから非常に遠い寮に住むか、dietary restrictionがない限りミールプランを降りることはほぼ不可能です。


Q. 週末はどのようにして過ごしていますか?

・金曜・土曜はパーティーする人もいるけど、他の大学に比べると全然派手ではない(fraternityやsororityはありません)
・町のレストランにディナーに行ったり、コーヒーショップで勉強したり
・ミネアポリス(ミネソタ最大都市)に遊びに行く人もいる
・大学が森を所有してるので森に散歩に行く人もいる
・個人的には運動が好きなのでサッカーをしたりする

週によってかなり違いますが、宿題、外出、ボードゲームというのが主な私の週末の構成要素です。大学付近に沢山レジャー施設があるわけではないのですが、その分キャンパス内で何かしらの学生団体がイベントを行ってるのでそれに顔を出すことも多いです。また演劇をやっているためその練習にもかなり時間を割いています。
カールトンのパーティー文化は全く期待できません笑 全くパーティーがないわけではないのですが、基本友達の寮の部屋で開催される小規模のものばかりで、私の友達達は口を揃えてカールトンのパーティーは全然激しくないし、曲のセンスが微妙と不満ばっかり言ってます。
スポーツもフリスビーは強い(らしい)のですがそれ以外に突出して人気、強いといったものはありません。特にアメフトは弱すぎて有名です笑


Q. 大学生活の中で、地域のコミュニティと関わることはありますか?

・同じ街にSt.Olaf Collegeがあって、授業も取れる(実際に取っている人には会った事はないです)。
・コミュニティエンゲージメントはとても大事で、近くの小中学校の生徒のサポートや、地域のお年寄りのケアなど、コミュニティに貢献する方法は様々あります。

地域のコミュニティとの関わりは正直少ない方なのではないかと思います。以前まではキャンパスのバンドパフォーマンス会場などにカールトンのある町、ノースフィールドの住人も立ち入ることができるなど、自然なインターアクションがあったようですが、最近はセキュリティの関係で外部の人がキャンパス内に入ることはなく、また生徒も積極的に町に出て地域のイベントに参加しようという人は少ないです。
ノースフィールドにはもう一つ、St.Olafという大学があり、そこの学生ともコミュニケーションが多いわけではありませんが、いくつかそこで履修できる授業もあります。


5. 大学の周りの地域について

Q. 大学の周りは、どんな環境ですか?日本食は調達できますか?

・Northfieldという人口2万人のとても小さな街で、ほとんどが大学生と白人のお年寄りです。
・治安はとてもいいです(人口構成からわかると思いますが)。
・小さいレストランがいくつかあって、おしゃれなコーヒーショップも何軒かあります。
・日本レストランは少し離れたところにありますが、個人的には値段の割には美味しくなかったです。

街は非常に小さく、一応街の中を走るシャトルバスもありますが、徒歩で基本的な施設には移動が可能です。商業施設としては映画館、地域コミュニティによるの演劇が行われている劇場、ジャムセッションなどが行われてる施設くらいしかありません。
レストランは一年前まではインド料理一軒、中華二軒、アメリカン一軒、メキシカン一軒くらいに、カフェが2つ、パブやブルワリーが数軒でどれも古く、あまりお洒落な雰囲気ではありませんでしたが、最近新たにアメリカン、メキシカン、カフェが開業され、モダンな雰囲気のお店もやっと楽しめるようになりました。


Q. 大学の周りの交通網はどんな感じですか?日本からのアクセスは?

・大学からバスで45分で空港、1時間でミネアポリスにいけます。バスは平日は1日5〜6便、週末は1日3便しかないです。
・日本からは、1日1便羽田空港からミネアポリスに直行便があるのでとても便利です。

一番近い都市、ミネアポリスまでは片道小一時間、$20かかるシャトルバスしか公共交通手段がありません。なので週末などに遊びに行きたい場合は車を買うか、車を持ってる友達に頼み込む人がほとんどです。
日本からは、デルタで羽田からミネアポリスまで直行便が出ているのでいつもそれを使っています。空港からのシャトルはほぼ全校生徒が2-3日の間に一気に帰ってくるので早めに予約をしないと、取りたい時間の席が取れず、特に何もない空港で暇つぶしをしなければいけなくなることもあります。


6. 大学生の、本音!

Q. 大学の好きなところは、ずばり?

人が優しいところ(教授、生徒、スタッフ)。東海岸や西海岸のギスギスした競争的な雰囲気とは対照的に、中西部独特の人の穏やかさが大好きです。高校時代は進学校でずっと周りと競争するのがとてもストレスだったので、カールトンの環境のおかげで、のびのびとマイペースに自分の好きなことができています。

教授もとても優しく、熱心で(ここ数年のUndergraduate Teachingのランキングで1位!)、困っていると常に親身になって話を聞いてくれます。

– interdisciplinaryなminorが多い
– 人の繋がりに価値を感じてる人が多数いる –> peer leadersのトレーニング
– コンペティティブ過ぎない –> スクランチシステム
– 自然に囲まれてる –> 青空授業も


Q. 反対に、大学に対して不満に感じるところはありますか?

・学べる学問が限られている(他のリベラルアーツと多分同じ)。
・寒い。冬は毎日マイナス10度以下。一番寒い日でマイナス50度。
・田舎。空港から45分だが、電車がなくUberも使えない。
・ご飯が美味しくない。他の大学の人の言う「美味しくない」とは一線を画すレベルで美味しくない。(真っ黒に焦げたバーガー、脂が上からかけてあるピザ、水分を全く含まないチキンなどなど)

– liberal artsならではの悩みだがキャリアフェアなど就職に向けてのリソースが限られている
– ど田舎で一番近い都市ミネアポリスまでシャトルで45分(片道$20で1日に数便)かかるため疎外感を感じることがある
– trimester systemのため長期休みのインターンなどとライムラインが合わないことがある(各学期10週間で集中できるのは利点)


Q. 大学には、面白い伝統やイベントがありますか?

Friday Flowersといって、毎週金曜日に生徒がお花を買って、他の人にプレゼントするという習慣がカールトンらしさを表していると思います。キャンパス内はとても安全で、ひとりひとりのメールボックスに鍵がついていないので、他の人がお花をメールボックスに入れます。

レクリエーションとしては毎年11月にあるScrew Dateというイベントがなかなかユニークです。近くにデートスポットとなるような場所があんまりないほど田舎なので、大学がキャンパス内に1日だけレストランやパフォーマンス、ゴンドラ乗りなどのアクティビティを用意してくれるのですが、そのデート相手はルームメイトによって勝手に決められるというものです。自分のデート相手は当日まで知らされない、リスキーな行事ですが、それで新しい友達を作るきっかけになったりと、多くの生徒が楽しんでるイベントです。
またもう少しアカデミックな伝統として、毎週金曜日の11-12時は全員授業がなく、Convocationがあります。社会問題だったり環境問題だったり様々なテーマについて語るゲストスピーカーの話を聴き、質問できるインターアクティブな講演です。


Q. 大学のカフェテリアのおすすめメニューは?!

月1で出てくるNacho bar

朝食でしか食べれないオムレツ?
場所も曜日も時間も限定されてるけど、自分で具材や火の入れ具合をカスタマイズできるのが魅力。


7. 大学生からのメッセージ

Q. これから大学への留学を目指す人に、アドバイスはありますか?

n/a

海外大学受験はSATやTOEFLで点を取ることを除けば、自由で自分の楽しんでできることとの両立がきくものだと思ってます。Essayのテーマも自分で決め、activity listに書きたいことも続けられ、SAT subjectも自分で教科を選べ、部活や習い事をやめて演習問題をひたすら解く日本の大学受験とは大違いです。だから、気楽に、型にはまろうとせず、自分らしく受験も楽しんでください!
一つだけ、伝えたいアドバイスは大学リサーチは非常に重要なので怠らないで欲しいと言うことです。4年間、割とハードな授業を受けながら過ごすための環境というのは本当にその人のメンタルを左右すると思うので、自分がなるべく快適に過ごせる大学を選んでください。キャンパスビジットに行けるのが一番の理想ですが、このような体験談で各大学の違いを感じるだけでも志望校リストを大きく変えるかも。