人類の様々な文化や、その生成過程、社会や個人への影響について考える学問。また、その調査に用いる情報の読み取り方を考える学問。
調査には文献調査(出版物、映画、音楽等)、インタビュー、統計などの手法が用いられる。
焦点をあてる文化は、地域に関するものだけではなく、ジェンダー、人種、宗教、時代、社会的地位などに関する文化も含む。
文化から派生する医療、技術、経済などの格差の問題などについても考える。社会問題の根本を探りたい人や、人や社会の性質に興味がある人におすすめ。(Yukimi)
読む力、論理的思考力、コミュニケーションスキルが必要。
過去の論文だけでなく、出版物そのものを資料とすることも多いため、その読書量に耐えられることが必要。
また、英語や、調査対象とする地域の現地言語ができると良い。
さらに、インタビューは人類学の重要な調査手法なので、コミュニケーションスキルもあると尚良い。
調査対象が人間であり、バイアスや心情を持っているので、資料から文化を読み取るためには論理的思考力が求められる。(Yukimi)
東日本大震災をテーマにした授業。ハーバード大学のライシャワー日本研究所が運営する日本災害DIGITALアーカイブを活用し、人類学・歴史学の視点から日本が未曾有の災害にどう立ち向かったか分析する。震災直後のSNSのデータや写真、動画、報道等を通じて、直接インタビューができない対象へのアプローチを試みた。
学期末には、個人がアーカイブを使用して研究プロジェクトを行う。筆者は過去に訪れた福島県天栄村の農家の取り組みを基に、風評被害について研究した。日本研究で著名なTheodore C. Bestor, Andrew Gordon両教授と福島で研究していたRyo Morimoto先生の合計3人でわずか9人の学部生・大学院生を指導し、ゲストも多く訪れるなど、毎回3時間の濃密な内容が印象的。
(Logo: Harvard University)
Ryosuke
人類学と歴史学を複合した授業。この授業が初めて大学で取った歴史関連の授業。課題図書を読み、それを授業で振り返る、といったシステムなのであまり議論とかもなく淡々とした授業。
中央アジアと中東の人類学や歴史にはあまり触れたことがないので知識の蓄えとしては良かった。
(Logo: NYU Abu Dhabi)
Atoka
美術館を人類学視点から見直す授業。マカレスター近隣の美術館から世界各国の名高い美術館の分析を人類学視点から行う。
授業の最後のプロジェクトとして、クラス全体で個展を一から計画し学内で行った。
(Logo: Macalester College)
Haruka
日本の文化を通して、ジェンダー学や人類学への導入を行う少人数のディスカッションベースの授業。題材はマンガやアニメ、J-POP、サブカルチャー(ロリータファッションやボーカロイド等)、風俗営業(キャバクラ、ホストクラブ)まで多岐にわたった。
文化がどのように形成されていくのか、文化がどのように個人に影響するのか、搾取とは何か、善とは何かについて考えさせられる授業。
(Logo: Massachusetts Institute of Technology)
Yukimi
政治経済学や生物学の側面から公衆衛生に関して学ぶ授業。サイエンスから人類学専攻まであらゆる分野の生徒が受けている印象だった。
生徒は公衆衛生の基礎的な知識をつけると同時に、経済的豊かな国々が医療システムや薬を用いて搾取を行ってきた歴史に触れる。
教授が「あなたたちに批判的かつ建設的な視点を持たせることがこの授業の目標だ」と言い切るように毎日課題を元にしたグループ・全体でのディスカッションが展開される。ただ公衆衛生の全体像だけでなくその領域で誰が権力を握っていて何を行っているのか、誰が不利益を被るのかを繰り返し考えさせられる。
(Logo: Colorado College)
Takuto
Writing Courseに指定されている、医療人類学のレクチャー。公衆衛生や医学に関心を持っている生徒が多く履修している。
なぜ東洋医学は西洋医学と同様に効能を持ち得るのか、医師とは仕事か使命か、人種がなぜ健康に影響を及ぼすのか、他国への医療支援の是非などについて考察する。
(Logo: Brown University)
Saki
人と物質文化の繋がりや、物質文化が人に与える影響について学ぶ。
2週間に一度講義があり、講義がない週はミニフィールドワークを行う。フィールドワークでは、例えば前週の講義で写真について学んでいた場合、近隣の写真を扱う美術館や博物館で、写真の展示をみて、レポートを提出するようなものがあった。
(Logo: University College London)
Mayuka
SFという観点から社会問題や倫理問題について人類学的なアプローチで考える、ディスカッションベースの授業。さまざまなSF小説や映画から、その中に意図的あるいは後せず盛り込まれたメッセージについて話し合う。また、SF作品が技術発展にもたらす影響についても考える。
エッセイ課題は、現代社会における倫理問題を訴えかける短編SF作品を書くなど、ユニークな授業。
(Logo: Massachusetts Institute of Technology)
Yukimi
文化人類学の学問としての基礎を学ぶ。
例えば、文化人類学の歴史を各時代の著名な文化人類学者の著書を読むことで学ぶ。また、この学問において、フィールドワークとはどうあるべきかという課題について、様々な文化人類学者の視点を学んだ。現在進行形で研究を行なっている教授の、それぞれの研究内容についても聞くことができる。
(Logo: University College London)
Mayuka